魚柄仁之助・3冊

知恵のある・和の家・和の食・和の暮らし
大正時代の知恵に学ぶ野菜の食べ方 178種類
ひと月9000円の快適食生活

実に楽しく有益な料理エッセイ本、というような高評価が多くて、今まで何故読んだことも話に聞いたこともなかったのか不思議である。すでに自分でやってしまっていることが多くて、もっと早く読んでいれば、と思った。そうすれば、もっと新鮮に驚き、感動できたろうな。

それでも、これはいい、と思った事柄の覚え書きを『ひと月9000円の快適食生活』からいくつか。
リンゴの皮の乾物アップルティー。実はリンゴの皮のみならず、梨の皮、柿の皮等を乾燥保存してあるので、さっそく利用してみた。ほんのり香りと甘味があってこれはいい。梨はかなり甘味が感じられるけど、香りは好きじゃない。

今日の和食は肉も油も増え、代わりに繊維質は少なくなっているとの記述。日本型食生活、体によい意味で使うには「昔の」と付けないと。そうそう、飲食店や惣菜屋さんやの煮物なんて油と砂糖たっぷりなんだもの。

そして、今までも記録した甲田氏の本、ベジ本でも主張されていたことがここにもあった。この本には、鶏肉を1kg作るのに穀物約3kg、豚肉1kgのためには5~7kg、牛肉1kgのためには10~20kgの穀物が必要と書かれている。20kgの大豆を使ってできた1kgの牛肉をたった一人が食べるより、20人の人が大豆を1kgずつ食べたほうがよいのでは?と。でも日本では、この話を聞いて、今も食糧難な地域や将来の食糧危機や環境問題と結びつけて考える人は少ないんだろう。だから何?って感じで。

レシピ本らしい覚書としては、なすペーストとタマネギソース。どちらも柔らかくなるまで蒸すなどして火を通して、ニンニクや辛子で適当に味付け。

『大正時代の知恵に学ぶ~』の方は読み物として愉快だがレシピは大したものはない。でもほんとに笑える。『知恵のある~』は写真とエッセイ中心。同じ著者の他の本、タイトルからするとどれも同じような雰囲気だけど、どうしようかな。

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