『食と健康を地理からみると』

食と健康を地理からみると―地域・食性・食文化 (人間選書)

非常に様々な事柄にいろんな視点から述べていて、初めて聞くような話も満載で、とても勉強になった。全体的に、こうした本にありがちな情に訴える書き方ではなく、淡々と検証して述べているので非常に説得力があり、信頼できる、ような気になる(汗)理知的な感じが好きなので贔屓目かも。といっても、堅苦しい難しい本ではなくて、読みやすく、そこもまた良い。

以下覚書

狩猟能力・咀嚼力・消化力、また菜食中心の霊長類でトップに位置しているとするなら、ヒトの食性は菜食と考えるのが自然だという。特に、穀物の育つ地域に住むヒト類は。

昔の日本人が少量の穀物植物食で重労働を継続することに当時来日した西洋人は驚いた様子。

ある食物に含まれる栄養素が、どのくらいの時間でどれだけの量取り込まれ、どれだけ取り込めずに排出されるかは、摂取時の体調、気温、食品の温度、調理法、食事の場によって一個人でもかなり違うので、体質の違う人間同士では、食品成分表とまったく異なる栄養摂取量になる。

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