『写真のワナ』

新版 写真のワナ―ビジュアル・イメージの読み方

どこかで書名を見かけて興味を持った本。この本では写真とそれに添えられた文章による情報操作について、過去の例をあげて解き明かしている。

受け手にこう思わせたい、その意図に沿ってつくられた情報が氾濫しているのは知っていた。真実を知りたい私としては、読んでよかったと思うが、この身を引き締められる思いを忘れないように以下覚書。
「写真情報の真贋を分析したり読みぬくことでもっとも重要なのは、撮影者やその情報のソースが「どこ」の「誰」であるかだ。そのソースが"あやしかった"なら、その写真情報の信憑性は言下に否定されてしまう。クレジットのはっきりしない写真は、別の見方をすれば「その写真に誰も責任をとらない」ということであるからだ。誰も責任をとらない、あやふやな写真を見て、「すごい」だの「ひどい」だのという感情を揺り動かされても、それは無意味なのだ。(P87)」


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