『やまずめぐる』『きものという農業』

やまずめぐる―30年の農的生活を通して
きものという農業―大地からきものを作る人たち

『やまずめぐる』は以前からいつか読もうとブックマークしていた本。なかなかその気が起きなかったが、綿関係の本を漁っていたらこの著者が渡良瀬で綿に関わる活動していると繋がって、ようやく読了。内容は、エッセイ、というかこれまでの歩みというか。うーん、嫌いじゃないだけに暇だったら読んでもいいという感じではあるけど、特に書き残すほどのものはなかった。まあ、藤井平司氏の話が語られていたのは嬉しかったな。いかにも再生紙って感じで余白も少ないのも素晴らしい(汗)

『きものという農業』は一転、カラーで余白たっぷりすぐ読み終わりそう、などと思いつつ読み始めた。しかしこれがなかなか下段の解説が詳しくて面白くて、まだ皇室と養蚕の関係など知らない情報も多く、読み応えのある一冊だった。以下覚書。

・むかし麻で作られたものが石油繊維に取って代わっている(今年の夏は麻繊維を紡いで蚊帳と帽子を編むつもり)。
・麻は農薬を必要とせず、農薬で弱った土地に三年植え続ければ、よく肥えた土へと復活するらしい。多くの国で栽培しているのに日本だけ禁止、そして米国から輸入するのはヘン!だそうで。
・紅花の紅は肌に直接つけると毛細血管を刺激し、血流をよくするとか。とげのある紅花の茎はねずみ除けに、種ガラはもぐら除けになる。種を探したら生花向け観賞用のとげ無しより有刺の方が染料向きらしい。入手先情報求む!
・草木染めで保存して使うのは、根・花・実が多く、幹材・樹皮・葉は植物の育成時に染めると生き生きとした色になる。
・高価な結城紬でもよそゆきにはならないのは、柄や色のためではなく、地機で織っているため…へぇええ、そんなことで。
・二十四節気に従うと着物の衣替えもそこそこ落ち着くと著者。調べてみると農作業の計画を立てるにもよさそう。


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