『ガンジー・自立の思想』

ガンジー・自立の思想―自分の手で紡ぐ未来

綿に関する本を読み漁っていれば避けては通れないと思っていた本。抽象的な哲学や精神・思想論などは読みたくなかったので、後回しになっていた。

この本は、冷めた言い方をすれば編者が都合のいいようにガンジーの主張を寄せ集めたものなのかもしれない。でもガンジーの糸紡ぎ・手織りとの関わり部分だけを知りたい私には都合がよかったし読みやすかった。これをきっかけに数冊、ガンジーの本を借りる予定。

綿に関連する経済的な面から、失業やワークシェアリングといった今まさに問題になっている話題について、既に、具体的に示唆があり、今この時期に読めた偶然にやや感動。以下引用。

P105 人手があまりにも少ないうえに、やらねばならない仕事が大量にある場合には、機械化もよいことです。インドのようにその仕事のために必要とされる以上の人手がすでにある場合には、機械化は罪悪です。

P105 工場労働者は村で同じ仕事をしている少なくとも十人分の仕事を一人で行っている―略―この工場労働者は仲間の村人十人を犠牲にして、自分がした以上のものを得ているのです

P93 三億人の代わりに三万人の労働でこの国が必要とするものを全て生産できたとしましょう。三億人が失業し、怠惰な人間になってしまうことがないのであれば、異議を唱えることもありません。


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