『足るを知る経済』

足るを知る経済―仏教思想で創る二十一世紀と日本

以前読んだ成長の限界シリーズとも関わる内容だろうと借りた本。ぱらっとめくると、副題にある「仏教思想」的タイトルが目に付いて、大丈夫かな?(汗)と不安になりつつ読み始めました。まあ、思想、哲学な内容は前半の少しだけで、その先はまた別の難しさもあるのですが、一部斜め読みしつつ、読了。

この本も、もう十年以上前の出版ですが、世界は変わりませんね…。

以下だらだらと覚書
京セラの会長?稲毛和夫氏『日本への直言』の中で「実に不思議なことに、皆が漠然と、今後も成長を続けていくのが当然だと考えている」と言っていたらしい(P28)
同じく紹介されていたのが、現在は悪名高きモンサント社の当時の会長?ロバート・シャピロ氏の発言らしいもの。それをさらに要約すると「人間は企業・利益のためではなく、人間のため、社会のため、子供のために尽くす。そのためには従業員のモラルと企業での仕事の内容が一致しなければならない。自分の仕事が生活の質を高めるためなのだという意識があれば、信念にあった仕事であれば頑張る」森孝之著『「思い」を売る会社』という本にあるらしいが…(P196
「リサイクルは、リユースに比べ、大量の再生エネルギーを必要とする。一番望ましいのはリデュース、リサイクルは最後の手段。日本ではリサイクルに重点(P185)」使わないことが一番なのは考えなくてもわかるのに、いまだにペットボトルが減らないのは、リサイクル業者が困るから…という理由なのか。
同じ穴の狢だと思うたとえがいくつか。
(P151要約)交通事故が起きると、医療、保険、車修理その他諸々の経済活動が生じる。事故がおきなければGDPには何の影響もない。事故のおかげでGDPが豊かになる、事故の当事者の豊かさとは無関係に。
(P93)サリンがまかれた時も、震災の時も、今この時も、大量のゴミの山の生産・消費が増えれば増えるほど。「たとえDGP、DNPは増えなくとも、つまりゼロ成長あるいはマイナス成長であっても、そこに豊かさを実感できる経済社会を創出していかなければならない。それが成長率にはこだわらない次元で真の豊かさを追求する脱成長主義である」この文がこの本のいいたいことを一言でまとめていると思う。
(P34)物質的欲望は60%、精神的欲望には90%で。
紹介されていた本で、読もうかなという本
デボラ・デフォード『居心地のいい簡単生活』The Simpler Life- An Inspirational Guide to Living Better with Less
斉藤茂太『少欲知足のすすめ』

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