『生きている土壌』

生きている土壌―腐植と熟土の生成と働き

難解な内容、難解な文章ながらも、比較的飽きずに、疲れずに読めたのは、自分が今まで考えてきたことを保証してくれるような記述が多かったからだろう。特に、土をむき出しにしないこと。子供のころから、雑草一本も許さない畑を見ては、砂漠になってしまうのではないかと思っていた。実際土ぼこりがすごかった。緑で覆われた果樹園のほうが好きだった。時期になれば農薬はたっぷり撒かれてたろうけど。

ざっと覚書など。

(p38)森だけが、自らが消費するよりも、より多くの腐植を生産する。ほとんどの植物群落は、自らが生産するよりも、より多くの腐植を消費する(マメ科を除く)

(P40~41)厩肥を腐植と同じように考えてはいけない。厩肥は腐敗による産物であり、毒性のあるフェノール類が存在しており、土からの産物の品質を低下させている

(P117) 降雨量に対して洪水が増加する傾向にあるということは、わが国(著者の国・ドイツ)の土壌が保水力を失いつつあるということ。

(P209)窒素肥料製造のエネルギー支出は莫大である。たとえば1トンの石灰窒素製造には1.1トンの重油と1100kw時の電力を必要とする。(中略)原子力産業界が原子力発電所の建設などを正当化しようとしている(中略)合成窒素には、硫安、石灰窒素、硝安石灰、尿素など、たくさんの「化学肥料」がある。

(P210)ジャガイモを植えつけるときには、植え穴に数粒のソラマメを一緒に播いた。

(P261)カドミウムは金属の防錆材となり、薄いコーティング材料として工業界で使用されている。(中略)さまざまな食品やタバコがカドミウムを含んでいる。また、缶詰(内部被膜剤)、種種の包装材、アイスクリーム、コーラ、インスタントコーヒー(製造機械)、バター(電気メッキした集乳缶)などである。(中略)受動的喫煙者もその被害を受ける。

(P323) アブラナ科の野菜につくアブラムシやヨトウムシを捕食するテントウムシやクサカゲロウは、クローバーと菊科雑草の花を好んで訪れる。(中略)畑の昆虫の半ばを占めるという「ただの虫」には、雑草を食べているものも多い。(中略)雑草は天敵の為のえさ場であり(略)。

(P328)生垣の骨組みを作る基本となる樹木では、樹形が三角なヤマナラシ、ギンドロ、トネリコなどがよく、これに低木の常緑や半落葉の樹木を加える。


将来広い畑を持てたら、周囲は麦などで囲もうと考えていたが、樹木の生垣のほうがよいかもしれない。役に立つ高さまで育てるのが大変だけど。有用なもの、例えば椿や月桂樹とか、ケモノ対策に刺のあるバラ科、成長が早そうなヤナギ科とか。こういうの調べだすと時間がどんどんなくなるんだよな(汗)。いつになるかもわからないのに…。




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