『カンボジア絹絣の世界』

カンボジア絹絣の世界―アンコールの森によみがえる村 (NHKブックス)

『メコンにまかせ』に続けて読了。こちらのほうが整理されていて読みやすいし、技術や歴史の記録としても詳細なように思う。地域の問題や、人との関わり、著者のいろいろな面での苦労などは『メコンにまかせ』のほうが伝わってきたような気がもする。

以下覚書。
P49~ 蚕自体も桑の木も品種改良が進んだ日本の蚕の吐く絹糸は、もう昔の絹糸とは違うものになってしまったとのこと。手入れも昔のように洗い張りなどは難しくなっているとか。

��私がある紬の産地で聞いた話では、現在の日本ではペレット状の餌を与えることもあるらしい。最初からペレットで育てられた蚕は桑食への移行はできないのだとか。元々の桑食蚕は、ペレット食へ移行できる。どちらにしろ繊維の質は昔とまったく違うのでしょうね…)

P104 沖縄石垣の生糸生産農家が大切にされなかった結果消えていった話。「織り手のほうにも糸は市場から買えばよいという安易さがあったはずである。伝統的な地場の養蚕農家を大切にするという気持ちに欠けていたから、結果として京都から石垣の生糸を買わなくてはならないようになった」

P152 花梨の木の表皮で赤く染める。ただし、皮をはいで酸化が進まないうち。30分以内だそう。酸化が進むと茶色になる。日本のカリンと同じ品種なのかな?

P207 綿花栽培、手紡ぎ手織りの話ももちろんある。竹製の織り機、と書かれているのだが、それが竹筬のことなのか、織り機全体のつくりのことなのか、わからなかった。






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