『アトピーの女王』

アトピーの女王

久しぶりの仕事と無関係の本。子供の頃からアトピーという著者のアトピー人生を描いたノンフィクション。初版2002年なので、今とは大分状況が違うかと思いきや、基本あまり変わっていない気が。アトピーは相変わらず、本当の原因も、治療法もわからないまま。周囲の、国や医者や世間の人の無理解も変わらず。

大体、著者も書いているが、アトピーとはワケが判らんという意味だとか。自分自身のアトピー変遷を見ても、本当にそのとおりと思う。ワケがわからな過ぎてただただ辛い。もう、共感するところが多すぎてこの記事は長文になりそう(汗)。私の記事は読まなくてもいいけど、この本は読んで欲しいな。本当のアトピーの辛さを少しでもわかって欲しいので。


アマゾンのレビューには面白い、笑えたというものもあったけど、私は自分自身ひどい状態が続いているからか、そこまで余裕を持って読めなかったのかも。でも、文章が上手なのか、辛さを表現しつつ、客観的に表現している感じもあって読みやすいことは読みやすかった。それでも唯一笑えたのは、青森の病院の最終日の卒業式エピソード(笑)。


弟さんが二軒目に行った医者は性格が原因と言い切ったそうな。アトピーの人は真面目、優しいとかよく言われるけど、殆ど関係ないと思う。あったとしても多少その傾向がある程度で、普通の人と同じ程度に真面目だったり優しかったり、そうでなかったりという面もあると。ただ、アトピーになったせいで、性格が変わることはあると思う。まず積極的にはなれなくなるし、アトピーの調子によってキャラが変わると著者も言うが、すごくよく判る。情緒不安定。躁鬱なんじゃないかと思うくらい。

アトピーを知らない人は、著者がひどい医者になぜ何度も通うんだろうと思うかもしれないけど、DVを受ける人の心理と似てるのかもしれないと思った。諦念。洗脳。著者は人形作家になりたくて修行していたけど、医者にやめろと言われたらしい。私の通っている歯科医も生まれながらにアトピーで、ゴム手やマスクに反応してしまうらしく、治したかったら歯医者を辞めること、と医者に言われたそう。

アトピー患者は就ける職業が限られる。でも治療や生活にお金がかかる。自殺やいじめの原因になることも多い。原因も治療法も不明の難病指定されてもよいような病気なのに、アトピー患者は捨て置かれ、国はもちろんマスコミからも、世間からもほぼ無視されている。

P135で、広島で被爆して差別されてきた女性が「みんな被爆者になればいい」というのに対し、著者は同意する。私もそう思ってしまう。肌がきれいな、普通の肌の人が羨ましくて、妬ましい。

でも、そういう精神って美しくないのだ。醜い。肌が醜い上に心まで醜いのはさすがに嫌なので、そういうことはあまり考えないように気をつけている。


この本に出てくる西武池袋線沿線の医者、たぶん私が通っている医者だと思う。私もこの医師の本を読んで脱保湿してビオチン療法を始めて一旦は良くなった。私がはじめて訪問したとき、その時私は本当に行き詰っていて、死を考えるようになっていて、もう駄目だと思って藁にもすがる思いでいったので、先生が話を聞いてくれるだけで半泣きだった。治していこうと言ってくれた。

ここに書いてあるこの医師の食事制限は変更されている。私が最初に行った時と、今現在も変わっている。新しい情報を取り入れたり勉強したりもせず、一つのことに固執している医者よりは良いと思うけど、一言欲しいなとは思う(汗)。まあ、私はもともと医者嫌いで、医者だからという理由で発言を信じないので、自分で納得いくように、自分ができること、信じられることを試している。

結局この医師の言うとおりにして治った部分も多いけど、治らなくて我慢できずに保湿したら治った部分もあるしということで、やはりアトピーは各人、各部分で原因や状態が違って、治し方も違うんだと思う。自分で色々試して治していくしかないと思う。

ちなみに私は10代から環境問題などにも関心があったせいか、元から合成洗剤不使用でジャンクな食品も30代に入ってからは殆ど食べてなかったのに、アトピーになった。玄米菜食経験もあり、今は糖質制限も実施中で、サプリもとりまくりだし、もうあらたに試すこと、殆どないんだ。どうしたらいいかね(汗)。

とりあえず、発症してそろそろ5年なので、ここらで振り返ってみようと思う。忘れていることも多いけど、何をやってきたのか思い出しつつ、アトピーに決まった治療法はないということを再確認したい。このブログでアトピーのカテゴリーを作って投稿していく予定。



 

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